日別アーカイブ: 3月 26, 2008

「バンテージ・ポイント」収束と拡散

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「マイ・ブルーベリー・ナイツ」も面白そうだし、個人的に好きな俳優さん金城武が出てる「Sweet Rain 死神の精度」((野島伸司作品はそれほど好きではないのですが、ドラマ「ゴールデンボウル」がよかった))もいいかなーと思ったのですが、このところ恋愛要素有りの映画が続いて(といっても2作ですが)ちょっと食傷気味だったので、アクション映画を見ることに。

-[[バンテージ・ポイント(映画公式):http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/index.html]]

米大統領狙撃事件。同じ時間、空間が、視点を変えて何度も繰り返される、という映画。
近年だと、日本映画「運命じゃない人」も同じつくりでした。
シークレットサービス役デニス・クエイドが体当たりで熱演しております。

*黒澤明「羅生門」~藪の中(やぶのなか)
私の好きな映画に、今昔物語「藪の中」をモチーフにした黒澤明「羅生門」があります。平安時代の殺人事件が、視点を変えて何度も語りなおされます。
しかし、語り手によって、事件はまるで違うものとして語られてしまいます。どの語り手の話が嘘で、どれが真実なのか。真相は「藪の中」という作品。

-[[“羅生門スタイル”を用いた注目の映画『バンテージ・ポイント』が公開(日経トレンディ):http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080307/1007749/]]
-[[ググる:藪の中 今昔物語]]

それに対し、「バンテージ・ポイント」や「運命じゃない人」は、ひとつの真実へと向かって収束していきます。新たな視点に映るものによって、以前の風景は上書きされていきます。

「Aかと思ったらB,Bかと思ったらCだった」 みたく。

個人的には、真相といえるものが示されず、拡散していく「羅生門」の展開はシュールで好き、でも、「バンテージ・ポイント」の、すごくいいところで時間を巻き戻しちゃう、話のひっぱり具合のうまさ、話がひとつに収束していくドキドキワクワク感も捨てがたい、です。

//*真実はひとつ?
//現実の人間でも、仕事のとき、プライベートのとき、有る程度TPOにあわせた使い分けって有るし、でも、そのうちどれが偽者で、どれが本当の自分、ってわけでもなかったりします、よね?

//この「バンテージ・ポイント」、視点が変わると、前の仮面は「偽り」であり、あとから提示された仮面が「真実」、のように見えてしまうので、何度も視点を変えて同じ時間を繰り返すわりには、人間の描写が少し平板に思えてしまうかな、とか。
//登場人物たちが、与えられた役割に忠実すぎる気がしたり。

//私の見方が悪いだけかもしれませんけれども。

//多分、私が興味あるのは一枚のカードではタグづけできないような、人間の多面性、なのかも。ダイアモンドの原石をカッティングして面取りすることで輝きを出すように。

//「Aかと思ったらB、Bかと思ったらCだった」

//ではなく(それはそれで面白いのですけれども)

//「Aであり、Bであり、且つC」

//みたいな。。。って、このあたり数行は思いつきをメモしてるだけなので、明日になったら気分はコロっと変わってるかもしれませんが(汗
//(それは、多分、本来は、脇役にはゆるされない、主人公だけに与えられた特権なのだと予想しているのですけれども。詳しくは機会があったら。。。)

//いや、自分には、多分そんなのを作るのは無理なのですが、遠~~~~い目標として。
//(このサイトみたくごちゃ混ぜだと、多面的つーよりも、単にわかりにくいだけですが。)

*カーテン
ド派手な爆発シーン【塔】や、カーチェイス【戦車】は、素人映画じゃマネできませんが、カーテンの使い方は、うまいなぁと思います。【悪魔】?(ネタバレになっちゃうので、これだけしか書けませんが!)

[[http://ecx.images-amazon.com/images/I/3111TKG25ZL.jpg:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BWDCV6/tamac-22/ref=nosim/]]
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