道路無料化のメリットを列挙してみた

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データベースの再構築待ちにちょっとカキコ。。。遅いから プログラム書き直さないとダメかしらん(汗

-[[高速道路無料化、民主案(その1) 一部有料へ国交省模索:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090903ddm001010009000c.html]]
-[[日本が変わる:高速道路無料化、民主案(その2止) 公平性に疑念も:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090903ddm003010092000c.html]]

ワイドショーで 「高速道路無料化の是非」みたいな特集をやってたのだけれど、そもそも、なぜ道路無料化なのか?という理念の議論が抜けてる気がしたので、年寄りが覚えている範囲でメモ。

そもそもは副都知事の猪瀬直樹さんの著作だったと思うのですが。。。
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。。。と、その前に、財政法の話を
*高速道路無料化は財政法違反?
財政法によれば、建設国債は起債する段階で返済計画を立てる必要です。
しかしながら、その返済というのは、基本的には、道路の使用料金で賄われるもの。
(途中から、プール制の導入により、償還の終わった道路の料金が、新規道路建設へと回されるようになりました。)

なので、仮に道路を全面無料化すると、返済計画に狂いが生じる。というか、返済のための収入がなくなるので、税収で賄うことになる。すなわち、”道路無料化は、建設国債を赤字国債へと転換する”ので、財政法違反になる可能性は有ります。

*しかし、道路国債は現状としては赤字国債となっている
しかし、道路建設のために起債された国債は、道路の通行料収入では賄いきれず、返済計画が滞っているといいます。つまり、道路国債は ”現況としては赤字国債”となっているようです。

ひとつには、道路整備計画というものがあるため、事前の返済計画にムリがあること (つまり、通行量などのシミュレーションが水増しされていた)

そして、、、、もうひとつは、小泉道路改革のころにマスコミを賑わせた話なのですが。。。

*猪瀬直樹さんによれば。。。
高速道路改革も行った猪瀬さんの著作だったと思うのですが、

-道路公団には、さまざまな子会社がある
-公団から、独占的にさまざまな仕事を請け負っている
-仕事の代金は、高速の料金から支払われている
-子会社へは、大量の天下りが行っている
-高速道路、道路特定財源からの収益は、事業費としてその多くが子会社へと行ってしまう
-道路公団本体は赤字なのに子会社は黒字。
-公団本体は赤字のため、返済が滞る

で、解決策として猪瀬さんは無料化ではなく、有料道路の民営化を選びました。

。。。ということで、小泉政権時に道路公団改革が行われ、何社かに分割されたりして、、、その後は、あまり追跡取材が無いので、その後、お金の流れなどがどうなったのかよく判らなかったりするのですが。

*無料化の第一のメリット 「権益のカット」
つまり、不透明なお金の流れがあるから、天下りがあったり、その他もろもろの権益が発生する。
たとえば、ETC利権、などなどは、いまだに残っているわけです。

有料道路のまま天下りなどを制限するよりも、一旦、無料化したほうが、効率的に道路関連の利権を掃除することができる可能性があります。

 『バケツの底の穴をふさがないと、どれだけ財源があっても、赤字が減らない』 

という言い回しがワイドショーなどに登場しますけれども、このことを指しているのだろうと思います。
*ムダを見つけるだけでも相当苦労する
“ ところで、猪瀬直樹さんにこんな話を聞いて驚いたことがある。
 道路公団民営化のときに、国土交通省から出された数字を再計算したいと考え、日本のあらゆるシンクタンクに再計算を頼んだ。
 しかし、依頼したシンクタンクすべてがそれを断わった。
 なぜか。それらのシンクタンクが役所から仕事をもらっていたからだ。
 それで、これは困ったと、彼はシンクタンクにいる個人的な知り合いにも頼んでみたがだめだった。
 しかし、あるシンクタンクの男が「私がやろう」と暗黙に仲間3人を集めて再計算をやったそうだ。
 この話からもわかるように、民主党がムダを見つけるのは容易ではない。
[[民主党政権の行く末を左右する3つの問題 (田原総一朗):http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090903/178774/?P=7]]

個別に精査するのは大変、というわけで、『無料化することによって、丸ごと権益をリセットする』 ほうが、時間がかからない。。。かもわかりません。
*無料化のメリット 「コストカット」
有料道路であることを前提にして事業が組まれているため、いろいろと事業費が膨らんでしまいます。
無料道路を前提として事業を組みなおすことにより、コストカットを行うことが出来ます。

*無料化のメリット 「道路特定財源の一般財源化」
これ、たしか福田内閣のときに閣議決定されて、そのまま棚晒しになってると思いますけれども。
道路を無料化することにより、道路特定財源を廃止したり、一般財源化するための名目ができます。

*無料化のメリット 「生活道路と広域道路の切り分け」
生活道路と、広域道路の切り分けも、交通安全の観点から、重要なポイントです。
-10トン車が、無料の下道 (したみち。細い路地)を通って、子供などが事故に巻き込まれる、ということが減る
-ドライブ客などが、抜け道と称して、生活道路を猛スピードで走行することが減る 

ちなみに、商業ドライバーから
-無料化されると渋滞して、時間内の運搬が難しくなる
-普段は無料の下の道を走って(!) 急ぐときだけ高速を使う、ということが出来なくなる

という意見が、よく登場します。が、もともと、”生活道路を10トン車が走っちゃ危ない”ですし。

将来的には、第2東名、第2中央道などの計画もあるので
-ゆっくりでいいときは 旧東名、旧中央
-急ぐときは有料の第2東名、第2中央

みたいな使い分けがされればいいんじゃないかと思います。

*無料化の問題 「CO2」 -> 【メリット】 炭素税 (一般財源化、温暖化、社会保障)へ
民主党マニフェストによると、道路無料化の他に、ガソリンの暫定税率廃止などがうたわれているのですけれども、日本はCO2の削減もしなきゃならない。そこのバランスをどうするか。

個人的には、ガソリン価格がやたらと安くなるとエコカー減税などの政策に投じたお金がムダになるので、できたら、「炭素税」などへ振り替えして、新エネルギーへの投資や、社会保障費に回して頂きたいところ。

実際のところ、自動車事故で怪我するひと、死者も出ますし、空気の汚染による疾病だってあるわけだから、ある程度、逼迫している社会保障費のほうに回して頂くのは、そんなに変な話では無いと思うのですが。。。

(ちょうど、1年後には参院選もあるので、マニフェストに載せるといいんじゃないかなーと思うのですが。)

石油相場が急騰したりすれば、また話が違ってきますけれども、WBSによれば、石油相場は規制が厳しくなり、落ち着く見込みのようです。 
(で、金を買えってあおってましたw)

*地方に必要なのは無料道路
私自身も、夜走ると自動車よりもキツネやイノシシのほうが多いような田舎に住んでいるのですが。
田舎のほうへ行くほど、有料道路としては採算も合わず、東名などの収入によって補填されているのが現状です (いわゆるプール制)

で、そういう地域に必要なのは、本当は無料の道路、なんですよね?
実は、田舎の道路というのは、 田舎の人が欲しがって作っている、、、ばかりではなく。 
田舎の会社で作れるような道路だと、税金の殆どがインフラ整備の原価や人件費 に投じられます (地方の経済に回ります)
道路の原価も低いです。

しかし、高速道路は大手ゼネコンでないと作れないため、投じられた予算は、再び中央に戻っていってしまいます。
で、仕事をもらうために天下りを受け入れたり、政治家に献金として流れたり。。。なので、利益率が高くないといけない。 つまり、税金が多く必要となります。

また、そのゼネコンの利益は、配当益などにより、外国へと逃げてしまい内需に回らない可能性もあります。
(東証の外国人投資家比率が高いので)

つまり、ケインズ政策的に、地方経済に税金を投じ、それによって内需が拡大すれば、地方にも都会にもメリットがある、はずなのだけれど、現状のような高速道路をやたらと作り続けても、”投じた税金が外国に行ってしまう” かもしれません。

現状は景気収縮期なので、 新規の財政t投資、、、も必要でしょうが、まずは、既に資本投下した既存のインフラを最大限に活用できるようにする、というのも、そんなに変な話では無いと思います。

*高速道路を 『かんぽの宿』 の二の舞にさせない
現在の体制のまま道路の民営化を進めていった場合、、、、 古くは、歴史の教科書に出てくる[[ 『北海道開拓使官有物払下げ事件』:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8B%E6%8B%93%E4%BD%BF%E5%AE%98%E6%9C%89%E7%89%A9%E6%89%95%E4%B8%8B%E3%81%92%E4%BA%8B%E4%BB%B6]]、 最近では 『J Power』の上場、『かんぽの宿』事件などなど、 国営から民営への移行期には、公共財産の不当廉売、払い下げにまつわる疑惑というものが、いつも浮上してきます。

運営を民間にまかせるのはコストカットになるからいいけど、税金で整備したインフラを、やたらと安く放出してしまうのはおかしい。。。と思うのですが。

一旦仕切りなおして、税金を投入して整備した財産としての道路が散逸しないよう、キチンと管理しなおす、ということは重要かと思います。

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