与野党は国債返済計画を!

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選挙特番、大江アナのメガネ、よかったですよね(力説
メガネ属性は無いので毎日だと厭かもですけど、四半期に一度ぐらいお願いします~
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(まだ買ってないですが)立体カメラネタも溜まってるのですが、一応、選挙っぽい時期の間に政治経済ネタを。
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[[先日の記事:http://boxheadroom.com/2009/08/28/kokusai-2]]の続きです

テレビを見ていますと、
-日本には800兆円の国債が積みあがっている
-だから消費税を上げて歳入を増やさなければいけない
-それが責任ある政党である。増税しないのは責任のがれである

という論調は、よく出てきます。しかしながら、消費税を何パーセントにすると、何年で返済できる、という返済計画を、まったく目にしたことがありません。

しかたないので、ざっくりとシミュレーションしてみることに。
*バブル全盛期ですら、1円も国債残高は減ってない
元にした資料はこちら
-[[国債発行残高の推移 2006(PDF) (財務省):http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2006/saimu02b_04.pdf]]
ちょっと前の数字ですが、新しい資料が判らなかったので。

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よく、『あげ潮派』の方は、『景気拡大すれば税収が増える』 とおっしゃいますけれども、バブル全盛期ですら、グラフは少しも下がっていない。つまり、残高は減っていない。 このことをどう見るか。

”『返済計画を立てなければ返済できない』”と見るのが妥当なような気がします。
*返済しなかったらどうなる?
時間が無いので、返済計画ではなく、以下のような条件で、シミュレーションします。
-長期国債の金利は、平均1.3%~2%。
-償還は税収から行わず、全て、新規赤字国債を発行、借り換えによって行う
–すなわち、一切 返済を行わない。
-新規事業のための国債は発行しない。
ここが一番フィクションですけれども。。。
-100年後、借金は、どれだけ膨れ上がるか

とします。(時間のあるかたは、是非、もっとちゃんとしたシミュレーションをお願いします)

返済を一切行わない、というのは、一見おおげさな前提、ですけれども、金融危機があったり、失業率が悪化したりすると、様々な財政支出が必要となり、実質、返済していないのと同じ、という年は、まま有るのでは無いでしょうか?

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*国債は100年で5千兆円増える
この場合、100年後には複利で増えますので

金利 1.3%の場合  1.013の100乗 = 3.64倍
800 × 3.64 =2911兆円

金利 1.5%の場合 1.015の100乗 = 4.43倍
800 × 4.43 = 3544兆円

金利 2.0%の場合 1.02の 100乗 = 7.24倍
800 × 7.24 = 5796兆円

*日銀が長期国債を全て買いきることで税金を 5千兆円節約できる
上記のように、金利2.0%で国債を一切返済しないでいた場合、100年間で現在よりも5千兆円も借金が増えてしまいます。
国債発行残高が増えると、引き受け手が減るため長期金利が上がりますから、100年の間 金利2%というのは、かなり控えめな数字です。

では、現在、発行済みの国債を、”全て日銀が買い取って”積んでおくことにしたらどうなるでしょうか? 日銀は長期国債の金利を受け取らないことになっていますので、”100年後も、残高は800兆円のまま”、となります。
これを100年かかって返済したとしますと、100年間で、差額の5千兆円の歳出をカットできたことになります。

*国債凍結で、金融は 5千兆円の機会損失となる
 一見、800兆円の国債残高というと、その全てが、国のインフラ整備に使われたかの如くに錯覚します。
 けれども、先日も書きましたが、[[国債の利払いは金融業界の利益:http://boxheadroom.com/2009/08/28/kokusai-2]]となります。国民のために使われるのは元本の部分のみであり、、、上記シミュレーションでは、国の事業には1円も使われていません、よね?(新規には)

すなわち、日銀が長期国債全てを買い切りして凍結した場合、金融業界は100年間で5千兆円の機会損失となります。
経済学によれば、儲かることをすることになっています。すなわち、”金融、金融のための金融である日銀、そして財務省、金融庁には、 『国債残高を増やす方向へ、強いインセンティブが働く』 ”こととなります。
(あくまで、理屈の上のことなので、怒らないでください。。。)

同時に、”返済能力拡大としての消費税増税へも、インセンティブが働く”こととなります。
*アニマルスピリット ~ 獣の本性
一人ひとりの官僚の方、金融業界の人が悪い人だとは全く思いませんが、”企業、組織として動く場合は、個人としての思惑は消失し、 『アニマル・スピリット』 (野生の本能、獣の本性) に従って動くことになる”ためです。

アニマル・スピリット という言葉を使ってみたかっただけなんですけれども。
(本来の、経済学における「アニマル・スピリット」という言葉とは意味が違うと思います)

言い方を変えます。 企業のトップが5千兆円の機会損失を行った場合、当然、株主によって責任を問われることとなります。だから、個人の意思とは無関係に、利潤を追求せざるを得ないのです。
(国は企業ではありません。が、組織の利益というものが存在するため、同様のメカニズムが作用すると考えられます)

*中央銀行の独立性か? 国家財政の破綻か?
中央銀行の総裁の人事権は国会に有るため、国債凍結に賛同する人物を総裁にすることで、この政策は実行可能です。日銀法、財政法を改正。。。せずとも特例法でいけるのでは無いかとおもいます。

ここで、財政法によれば、中央銀行による国債買い切りは禁則事項となっています。
政府がモラルハザードを起こし、弾丸国債のように、際限なく、負債を増大させないためです。

しかしながら、上記の試算によれば、100年間で5千兆円の負債が増加。しかも、それは1円も国のインフラ整備に使われることなく、全て、金融の利益となります。

また、国の返済能力は無限ではないため、いずれは、財政破綻、国債のデフォルト、ということになります。

-モラルハザードを戒めるか、国家財政の破綻に対して、何もしないのがいいのか
-100年かかってでも、国の借金をきれいにするのか

どちらがいいのか、どちらが責任ある行動と言えるのか、、、は、偉い方々の判断にお任せします。

できれば、どちらでもない、第3の。。。というか、ちゃんとした返済計画を示して頂けるのが嬉しいのですけれども。

*与野党は国債返済計画の提示を
以上、あくまでも、数字のお遊び、であります。

けれども、今後、景気が回復してきた場合、当然、消費税論議というものは政府、政治の場、官僚機構、マスコミ、ネットなどなど、様々な場において、行われることとなりましょう。

その際には、是非、消費税を何パーセントにすると、何年で国債を完済できるのか、という試算も示していただきますよう、お願いいたします。
*【オマケ】 私の考える返済計画 
一見、日銀に凍結してしまった国債を返済する必要は無いようにも見えますが(をぃ   新規国債を発行しなくちゃいけなくなった時に困るので100年かけて返済します。

-国債 800兆円を日銀が買い切りして、借り入れ金額を凍結
-新規赤字国債発行は当面の間 行わない (!)
-毎年 8兆円づつ返済  100回で返済
–おそらく、増税無しでいけると思う
-ただし、”名目GDPの成長率が1%を切った年は、返済を行わない”
-その代わり、同8兆円を、”財政出動に使う”
-名目成長率1%を保つと、次第に返済は楽になっていく
–名目成長による、返済能力の拡大
–ゆるやかなインフレとなり、借入金が目減りする
–インフレ率1%の場合、50年間で 1÷1.01の50乗=6割
100兆円の返済も、実質60兆円分の負担に減る

返済し終わると気持ちいいでしょうねー  私は生きてませんが。
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