医療費とスケールメリット 日本再生への提言 その2

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まずは、こちらの記事をお読みください。
*[[副作用は「青い身体」:食用色素で脊髄損傷を治療:http://wiredvision.jp/news/200907/2009072923.html]]
タイトルはキャッチーですが、元に戻るみたいです。
“なお、皮膚や目は投与の1週間後に通常の色に戻った

これが本当に効くのか、安全なのか、ということは、キチンと検証されていかなければなりませんけれども。。。

“問題は、青色1号が”非常に安価なので、臨床試験を支援する製薬会社が見つけられそうもない”ことだ

この一行には、重大な社会問題が潜んでいます。
*インセンティブの罠
経済学では、個々のプレイヤーは、利益を最大化するように動く、と想定されています。
つまり、安くてよく効く薬を開発すると、既存の薬品の利益を圧迫してしまう。

したがって、安くてよく効く薬を開発する、という(社会としては重要な要請への)インセンティブが働かない。。。という構造が有りはしないでしょうか?

(私の父も、”薬品関連の偉い人から、「安いクスリを開発するというインセンティブは働かない」という意味の言葉を、違う方から、複数回にわたって”、伺ったことが有ると申しておりました)

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*医療とスケールメリット
普通は、顧客が増えれば、スケールメリットが生じて、サービスあたりの単価が下がり、全体としての売り上げの伸びは鈍化するはずです。

また、農業に関しても、最近は、100ヘクタール程度に農地を集積、大規模な農業法人を作ることで、スケールメリットが生じ、競争力が生まれるはず、という言説をよく見かけます。ビールのキリンとサントリーの合併もありました。金融機関についても、金融危機が地銀の合併を後押しするかも。

じゃぁ、老人が増えたら、新型インフルなどの治療が必要な人が増えたら、やはりスケールメリットが出るはずだから、、、医療費の伸びは鈍化、”個々の患者の負担は減るはず”です。現在、そうなっているでしょうか?

*世界のタミフルの8割を日本が購入している!?
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たとえば、新型インフルエンザの予防に使われるタミフル。その8割を日本で消費してるとか、全世界のタミフルの8割を日本が購入しているなどというウワサ。はっきりした記事が見つからなかったのですが。
-[[タミフル「世界売上げの8割が日本」の裏事情:http://montagekijyo.blogspot.com/2007/04/8.html]]
-[[オバマ大統領もタミフルの会社に投資(ラムズフェルド氏も):http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2009/05/post-3021.html]]
-[[ググる:タミフル 8割 日本]]

はっきりした数字がわからないのですけれども。ホントだとしたら、全世界で流行が見込まれるにもかかわらず、日本ばかりがそんなに買うのは、”どう考えてもおかしい”でしょう。

*でも、人件費は削っちゃダメ
「医療費の伸び」と書くと、海外から安い労働力を輸入して人件費節約、、、、と短絡的に考える人が多いと思いますが、移民政策は、個々のプレイヤーの短期的な利益にはなっても、”全体としての社会的なコストが増える”ため反対です。

”今まで日本が行ってきた労働力の輸入、輸出政策は”、長期的に見れば、”どれ一つとして成功しなかった”わけですし、”何度も同じ失敗を繰り返す必要は無い”と思います。

また、医療に従事する人たちに限らず、国内労働力への人件費は、国内消費の原資なので、やたらと削ってはいけません。
*サンクコストの呪縛
今までは、私たち患者の側にも、なんとなく「開発費用が高いクスリほど効くはず、安全なはず」という思い込みが有ったように思います。 ([[ググる:サンクコスト]])
ただ、そこに、本当に相関関係は有るのでしょうか?

制度改正により、安全性を保ちつつ、開発費用、期間の圧縮をすれば、薬価が下がるはずです。
(このあたりは、以前、テレ東「WBS」でも提言されてましたが。)
*高度先進医療が高いのは「患者が少ない」 から
たとえば、ガン検診でも使われるポジトロンCT (PET)などの検査が高いのは、ひとつには、一台あたりの患者数が少ないから。
固定部分である導入費用を償却しようとすると、患者あたりのけんs費用を高くする必要があります。しかし、高齢化によって本当に患者が増えるのであれば、企業としての利潤を保ちつつ、一人あたりのコストを下げることが可能なはずです。

*国として『安いクスリ』 『安い高度医療』の開発を  
やたらと値引きしろ、ということではありません。薬価は基本的に材料費よりも特許、開発費用の回収なのだから、ある程度の売り上げが出れば、スケールメリットが生じて、有る程度の利幅は確保できるはず。

上記 「青いネズミ」 のように、市場原理がうまく働かない部分については、公的セクターで研究する、補助金などのインセンティブを与える、ということも考える必要があるかもわかりません。

また、タミフルの調達計画のように、なんだか不思議な政策が無いか、本当に必要な調達なのか、精査していくことも重要ではないでしょうか?

*最期に
ニュースなどで、『高齢化による医療費、社会保障費の伸び』 という言葉が登場すると、下の句として、 必ずといっていいほど ”『消費税』”、福祉目的税という言葉が登場します。
でも、名目GDPが下がっている状況で、歳入だけを増やしたいというのは、消費にも悪影響だし、バランスが悪いように思えます。

この記事で何度も繰り返し書いたように、本当に患者が増えるのであれば、医療費にはスケールメリットが生じて、伸びを圧縮できるはず。

以上、素人の妄言ではございますが、政策決定権をもたれる方々におかれましては、この記事を目にすることがありましたら、ぜひ、ご検討をよろしくお願いいたします。

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