消えた年金問題の解決法としてのベーシックインカム

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選挙、公示されたみたいですねー

近年、消えた年金問題というものが世間を騒がせましたけれども

-[[09衆院選 政権選択 新政権が実行すべき政策は何か(日経BPネット):http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090817/174404/]]

というわけで、どの党のマニフェストも、今ひとつかなー と思う年金問題について、日ごろ思ってることをメモ。

まぁ、あくまでレトリック (というか屁理屈のオンパレード)ですけど
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個人的には、基本的に安定した社会を想定してこそ成り立つ年金制度というものが、 社会の急激な変化に耐えられなくなったのではなかろうかと思います。

-50年以上も記録を保存しなければならない
-賦課方式にしても、安定的に積み立ての運用益を出さなければならない
-掛け金の負担と、年金支払い額に、 世代や所得の違いによる不公平感が残らないようにしなければならない

というのは、移り変わりが激しくなった現代においては、かなりハードルが高いと思います。
*もうひとつの『消える年金』 流用問題
最近、目についたのがこちらの記事
-[[日本の国民はスウェーデンより「高負担」、そして「低福祉」が貧困を拡大している(すくらむ):http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10322484639.html]]
[[はてなブックマーク経由:http://b.hatena.ne.jp/entry/ameblo.jp/kokkoippan/entry-10322484639.html]]
いろいろ反論も出ているようですが
-[[国民負担率の「賞味期限」:http://luxemburg.blog112.fc2.com/blog-entry-50.html]]
-[[新自由主義なんてない:http://luxemburg.exblog.jp/5238688#sweden]]

かいつまんで書くと、スウェーデンは負担が重いが、その多くが再分配されるため、実質の負担が低くなる。
しかし、日本は、負担のうち、再分配に回る率が低い、という記事
その理由を考えるに、
-もともと、年金は、給付して残った余剰金を、いろんなことに流用できる、ということから始められた、とも言われています。
[[公的年金流用問題(ウィキペディア):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E7%9A%84%E5%B9%B4%E9%87%91%E6%B5%81%E7%94%A8%E5%95%8F%E9%A1%8C]]
-日本では、(一般財源の場合でも)再分配よりも、 集めたお金をまとめて、金融、道路、箱モノなど、社会資本形成に使う、ということが好まれてきた。
–ひとつには、ばらまくよりも、少ない業者にお金を落としたほうが、利益率の高い仕事に落としたほうが、 『いろんなところに』 そのお金をキックバックしてもらいやすい、ということもあったかのようなウワサは聞いたことがあります
–もうひとつには、天下りを受け入れる側は、それ以上の利益があるからこそ受け入れる。 つまり、一人あたり、いくらいくらの仕事がセットで降りてくる、とも言われています。
*超長期年度から、単年度へ
お金を何十年も管理する、というのは、それだけでコストがかかるものです。
一言で、コストがかかる、と書きましたけれども、そのコストは、かなり膨大です。

それを、年度ごとの管理にすれば、管理しやすくなります。それだけでなく、大幅なコストカットとなります。
*『納税者葬背番号制』 年金を人質にとるのはよくない
民主党は、年金改革には納税者葬背番号制の導入が必要だ、とマニフェストにうたっています。自民党も社会保障番号導入に前向きです
-[[11年度に『社会保障番号』 自民政権公約 :http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009072902000247.html]]

しかし、これは、年金を人質にとった、悪質な脅迫であり、人の弱みにつけこむのは、良くないと思います。

たとえば、住所も、電話番号も変えることができます。名前だって変えられないことはありません。

でも、”ストーカーに、一生変わらない社会保障番号を知られたら厭じゃありませんか?”
*消えた年金問題の解決法としてのベーシックインカム
-ベーシックインカム(以下BI)なら、社会保障番号は必要無い
その年度における個人識別ができればいいので、一生同じ番号を使う必要は無い
-BIは積み立てをせず、単年度予算なので、管理が楽であるし、リスクが軽減する
–たとえば、企業による代行返上が、市場に大きな下げ圧力として働き、株価が下落したことは、まだ記憶している方も多いかと思います
-BIは、一律に分配なので、計算が簡単。
(頭数で割って、平均を出すだけ)
-BIは分配ルールも簡単 (全員に分配だから)
-つまり、額の決定も、分配ルールも簡単だから、事務処理も極小化できる。
(小さな政府)
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ここからはベーシックインカムというものの是非について考えてみたいと思います
*お金が必要なのは、お金を持っていない人
年金というのは、若いころは仕事をして収入を得ることが出来るけれども、年をとると収入が減るから、最低限必要な額を支給する、という仕組みなわけです。
しかし、現在は、むしろ若年層のワーキングプアの問題もあるわけですから、実は、お金が必要なのはお年よりばかりではないわけです。
だったら、むしろ、実情にあわせてベーシックインカムに切り替える、という方法もあるわけです
-[[ググる:ベーシックインカム]]

*人の価値、命の値段
ここで、思考実験をします。
-二人の人間 A, Bがいます
-Aの年収は100億円  Bの年収は200万円です
-列車の事故でA,B 双方が死にました
-鉄道会社は、A,B の遺族に、それぞれ、いくら保障を支払ったらよいでしょうか?

ひとつの方法は、 「人の命は平等」 ということです
もうひとつは 年収を 算定基準にするという方法です。
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もうひとつ思考実験をします。
-年収が二百万円の人が一億人住んでいる国と、
-年収が五百万円の人が一億人住んでいる国

どちらの国の価値が高いでしょうか?
*社会的資本投下としてのベーシックインカム
人的資源の開発方法の一つは、競争原理を導入すること。
しかし、たとえば、CDの検品を厳しくしても、DVDのような性能は出るはずが無い。
だから、まず底辺を厚くするため、 『人的資本』を開発するにも、元手が必要である、ということは、社会通念として通用すると思います。
(だからこそ、高いお金を払って塾に通わせたりするわけです)

ここで問題です。
会社が小さいうちに投下する資本と、大きく成長してから投下する資本。
同じ額を投資するならば、どちらが、成長に大きく貢献するでしょうか?
普通は、会社の立ち上げ時期のほうが、お金が必要だと思います。

しかるに、年金というのは、社会が人的資源を開発するには、コストパフォーマンスが悪い、そのため 『レガシーコスト』 などと呼ばれることもあるわけです。

だったら、”若いうちからベーシックインカムとして配ったほうが、経済波及効果が大きい”、という考え方もあってもいいのではないでしょうか?

(従来は、正社員として雇用することによって与信し、ローンを組むことを可能にする、という方法によって、ライフステージ序盤にお金が必要だ、という問題を解決してきたわけです)
*ベーシックインカムの財源は?
いろんな考えかたが有ると思いますが、
-[[田中康夫:http://www.love-nippon.com/]]が言っているような、基礎控除を廃止してベーシックインカムに切り替える、という方法
-消費税
その年のうちに消費に回してもらうためのお金なので、日本における全消費額に連動する消費税を特定財源にすると、給付額の設定が自動化できる、というメリットがあります。
(また、法人には支給されないため、個人に厚くなる)
ただし、導入当初は、消費を抑える効果が生じますから、経済対策としてはマイナスに働きます
(余談ですが、株取引の優遇において最大のものは、(売却、取得価額に)消費税がかからないこと、と思うのは私だけ?)
*ベーシックインカムについての個人的まとめ
-最低所得保障は、生存権を根拠法とする
社会参加には最低限のコストが必要であり、労働人口が一人減ると、それは社会的損失である (場合によっては、有能な人材が育たなかったという機会損失となる)
-貨幣経済、資本主義経済で人間が生きていくには、最小限のコストが必要となり、それを割り込むと生きていくのが困難。
-最低限のお金が無いと、教育も職業訓練も受けられない、社会で人間関係を結んでいくことも困難
-地下資源に乏しい日本にとって、人的資源の開発こそが、国の価値を高めることになる
-若いうちから資本投下したほうが、年金よりも経済波及効果が大きい
*【オマケ】 陽はまた昇るか?バナナ共和国になるか?
-[[ググる:日本は「バナナ共和国」のよう 米メディアが政治家を批判]]
-[[ググる:バナナ共和国]]
ニューズウィークの記事ですが

国同士は、仲良くすることも必要だけれども、グローバル経済においては、ゼロサムゲームの部分もあるから、『日本がバナナ共和国であったほうが都合がいい』  『日本がバナナ共和国だったらいいのに』 という願望を持つ人も居るわけです。
(たとえば、サブプライム証券化商品の格付けを日本国債よりも高くして売りさばきたい、とか)

バナナ共和国の共通点として挙げられるのは、教育が受けられないこと、貧困率が高いこと。

日はまた昇るのか、バナナ共和国になるのか、今、日本は、重要な分岐点に差し掛かってるように私には思えます。
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