GPS機器では、データの取り回しのため、RINEX形式という規格があります。
位置を計測するために必要な数値がテキスト形式で書かれたもの。
それなりにファイルサイズが大きくなるのですが、ファイル先頭部には、ざっくりとした値(APPROX POSITION XYZ)が記録されています。
この値が、どのぐらいの精度なのか、どんな性質なのかがよくわからなかったので、ためしにグラフを描いてみることにしました。
といっても、GPS機器を持ってないので、例によってGEONETからRINEXファイルをダウンロードしました。
せっかくなので、霧島 新燃岳を囲むように設置された三点の間の距離の変化をグラフにしてみることに。
◎GPS連続観測システム GEONET
今回はGzipで圧縮されたRINEXファイルの先頭部分のみを読みこむ実験を兼ねています。
場所は霧島 新燃岳を囲むように設置された三点のデータを使用
960714 えびの
021087 都城2
950486 牧園
場所はこちらの地図でご確認ください。
霧島山周辺のGPS連続観測結果(毎日更新)(国土地理院)
国土地理院で計算された距離の変化グラフではミリ単位の精度で計算されています。
これと、単純にAPPROX POSITION XYZで距離を計算した場合で、どれぐらい精度が違うか(落ちるか)の実験です。
今回は使用しませんでしたが、RTKLIBという無料ソフトを使用することで、個人でも もっと精度の高い計算を行うことが可能です。
(きちんと調整すれば、リアルタイムでセンチ単位?)
RTKLIB: オープンソースGNSS測位プログラムパッケージ
測位衛星による高精度測位技術の研究開発
私は、まだ、これから使い方を勉強するところなので、、、
<<メモ>>
毎日午前9時に一回ずつ、各点間の距離をGPS(APPROX POSITION XYZ)を使用して計算したグラフ、だと思って見てください (誤差数メートル?)
960714 えびの 021087 都城2 間の距離
昨年4月からのグラフ
2010年 4月1日 ~ 2011年 2月21日
青い線は 日々の座標値[F3]
ミリ単位以下の精度なので、今回のグラフと比べると水平線にしか見えてませんが、ちょっとだけ山が膨らんでるこころもちです。
今年に入ってからのグラフ
2011年 1月1日 ~ 2011年 2月21日
緑の実線 (7日間移動平均線)は一番右まで行ってませんが、緑色の丸に向かって進んでいる、というような体で描いてあります
RINEXファイルは、直近の分については、一日を3時間分ずつ、8個のファイルに分割して提供されていますので、APPROX POSITION XYZも、 一日につき8つのデータを取得して、薄いグレーでプロットしています。
あとで1ファイルにまとめられたときの値は、その日の朝9時のファイルの値を使用しているようです。
直近7日分程度については、
えびの 都城2は同じアンテナ、同じ受信機を使用しているためか、 牧園よりも振れ幅が一桁小さくなっているようです?
960714 えびの 950486 牧園 間の距離
昨年4月からのグラフ
2010年 4月1日 ~ 2011年 2月21日
今年に入ってからのグラフ
2011年 1月1日 ~ 2011年 2月21日
021087 都城2 950486 牧園 間の距離
昨年4月からのグラフ
2010年 4月1日 ~ 2011年 2月21日
今年に入ってからのグラフ
2011年 1月1日 ~ 2011年 2月21日
<<補足>>
全電子基準点のRINEXファイルをダウンロードしようと思うと、一日分で1GB以上になるようです(^^;
なので、ファイル先頭に記録されたAPPROX POSITION XYZだけを読み込み解析できないか、と思ったのですけれども、上記のグラフを見るに、精度的に厳しいみたいです。
あと、APPROX POSITION XYZが計算されておらず、毎日、同じ値になっているファイルもありました
(たとえば、私の地元 岐阜A)
<<追記>>
バグがあったので、画像を新しいものに差し替えました。
あと、ざっくりとした印象ですが、このグラフを見る限りでは、最近は各点間の距離が伸びたあと、ちぢむタイミングで噴火しているというような印象を持ちました。
(グラフが高くなって、低くなるタイミング。
山が膨らんで、 噴火する前に 少し しぼんでいる?)
周年変化もあるので、今後はどうなるのかはよくわかりませんけれども。
(過去一年については、何度も 距離が伸びたり、縮んだり、を繰り返しても噴火してませんし。)
ただし、このグラフが誤差が大きいので、ちゃんとしたソフトを使って計算しなおしてみないと、偽相関なのかどうかはよくわかりません。