「かもめ食堂」

明日世界が終わってしまうとしたら。。。何がしたいですか?



あけましておめでとうございます。

映画 「かもめ食堂」 知人がえらく感動していたので、DVDを借りて見ました。

出演者は、小林聡美, 片桐はいり, もたいまさこ。
「やっぱり猫が好き」のようなタッチを想像していたら、まったく違っておりました。

いつもは、コミカルな役柄の多い小林聡美を、「バーバー吉野」の荻上直子監督が、等身大の女性として美しく撮ろうとしているのが心地よい作品です。

舞台はフィンランドに建つ、和食専門の食堂 「かもめ食堂」
片桐はいりが、小林聡美の経営する「かもめ食堂」を手伝うようになってすぐのこと、 小林聡美が、こんなことを質問します。

「明日世界が終わってしまうとしたら、何がしたいですか?」

小林聡美の答えは。。。好きな人だけを呼んで、ご馳走を食べて、お酒を飲んで、楽しく過ごしたい。

武道家を父親に持つ彼女にとっては、かもめ食堂を営業すること、イコール、世界が明日終わってしまっても悔いの残らない生き方をすること。。。なのかもしれない。

明日世界が終わってしまうとしたら。。。そんな問いを立てる映画は数多くありますけれども、

・災害によるカタストロフィであったり
・宇宙人が攻めてきたり
・最愛の人が死んでしまったり、時には、主人公自身が不治の病になったり

この「かもめ食堂」で描かれるのは、そんな刺激の強いシーンではなく、ごく、ささやかな、ありふれた日常の風景。

「そのときは、私も呼んでくださいね?」

作品後半に至っても、片桐はいりが演じる女性は、そのことに。。。既に、自分が、その宴に「出席」していることに気が付かない。((私自身も、映画を見終わって、半日ぐらい気が付きませんでした))
そのズレが、良い。

小説で会話が続くとき、「あれ?これ、どっちのセリフ?」って思ってしまうこと、ありますけれども、小林聡美と片桐はいりの意識のズレによって、ちゃんと、何人もの人が登場している感じが出ていて、映画にリアリティというか、楽しさを与えている気がします。((ワトソンとホームズの掛け合い漫才のように))

オシャレなお店よりも、少し小汚いお店のほうが落ち着く派の私としては、「レストラン、っていうよりも食堂」 というセリフの割に、壁が大きな鏡であったり、電球の傘もデザインがよさげだったり、内装がオシャレ過ぎる、と思ってしまったりもするのですけれども、そんな、お店のインテリアや、フィンランドの街並みも、作品の見所のひとつかと思います。

かもめ食堂

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