チョムスキーという名前は時々耳にしても、いったいどういう人なのかはよく知らなかった私。
というわけで、いまさらながらマンガにて入門することにしました。
明石書店 (2004/02)
表紙にはマンガとは書かれていませんが、中身は、新聞に書かれているひとこまマンガそのもの。
コマ割は無いのですが。
前半は言語学者としての顔、後半は社会批評家としての顔。
どちらも、既存の学者をケチョンケチョン、なんですね~(汗
具体的には、どんなことが書かれているかというと……
アメリカには口にしにくい5文字の単語があるんだ。
それは”class”(階級)だ。
社会が自由になればなるほど、思想統制と情報操作のシステムは磨かれ洗練されたものになる。
事実、僕はマクナマラ((ジョンソン政権の国防長官))とレーニンが書いたものを比べてみたことがあるんだが、とても似通っているね。実際、そのイデオロギーは類似したものだね。
では、自由主義(リベラリズム)は?~活動する知識人
本の後半から引用した、この三つを読んだだけで、大体、あとの中身は想像していただけるのではないかと(汗)。そういう本です。
前半の言語学の部分は難しくてよく判らなかったとです。
特に面白いな、と思ったのがこちらの、バベルの塔についてのページ。
バベルの塔は聖書の中で、言語によって分けられた人類を象徴しています。
しかし、むしろ言語の違いは豊かさの源泉であって、必ずしも苦しみや混乱の原因ではありません。
これはチョムスキーではなく、この本をまとめたジョン・マーハ氏による解説なのですけれども。
実は、どちらかというと不吉だとされる、タロットの「塔」のカードについて、同じような ~「大きな物語の崩壊による、小さな物語(人間らしさ)の復権」~ という解釈は出来ないかな~ などと、ちょうど最近考えていたところだったので、「地球の反対側にも同じことを考える人が居たんだなぁ」と、少し驚くと同時に安心しました。
それはそれとして。
昔は、わかりやすい解説書を探すキーワードは「マンガ○○○○入門」(○の中はマージャンとか、日本経済、とか)でしたけれども、最近は「サルでもわかる」・・・すら通り越して、すっかり「萌える○○○○」ですね~
関連
タイトルに著作権はない(たけくまメモ)
「サルでも○○」 「ネコでも○○」というタイトル氾濫しすぎ、という話。
子供の読書離れや読解力低下に取り組むため、人気の高い日本漫画を使って読書習慣をつけることを目指す「MANGA読書プログラム」を導入
ええことや