「崖の上のポニョ」 金魚姫の冒険
宮崎駿監督の新作アニメ「崖の上のポニョ」 見てまいりました。お子様連れを避けて、あえてレイトショーで。(月曜はメンズデーだったので、昼間でも千円でしたが)
以下、作品内容に触れてますので、ネタバレ注意
人魚姫というか、家出した金魚姫のポニョが人間の男の子宗介を好きになって大騒動を繰り広げる話、でした。多分。
予告編にも出てくる津波のシーンは、小川未明「赤いろうそくと人魚」なども思い起こさせます。
ストーリー的にはぜんぜん関係ないですけど。。。(ポニョにも、ロウソクが何か意味ありげな小道具として登場します。これは「魔術師」の逆位置かな?)
関連リンク
- 「崖の上のポニョ」公式サイト
- 宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢(たけくまメモ)
- 『崖の上のポニョ』 インスマス人(クトゥルー神話)説
(w でも、意外にホントかも
恒例、場面をタロットでタグづけ
水
このポニョを特徴づけるのが全編を通して登場する水のアニメーション。この水をタグづけするとしたら、どのカードか考えてみます
節制 ~ バランス ~ 欲望
水が直接的に描かれているのが、酒を水で薄めている場面が描かれているといわれている、タロットカードの「節制」。で、このカードでは何を節制しているかというと(私の独断と偏見ですが)例えば「酒を飲んで酔っ払いたい」という「欲望」
欲望って書くとなんか生々しいですけれども、「自分はこうしたい!という感情の爆発」であったり、「自分がこうあって欲しい、という思いと、現実のギャップによる怒り、悲しみ」であったりと、いろいろとな内面的な心の動き。「好きな人に会いたい」とか、胸の中から流れ出たら、町一個壊してしまいそうなほど激しい感情の表現。
特に大きな表現は、予告でもおなじみ津波のシーン。
ポニョ、どんだけ宗介に会いたいんだよっ!っていう(w
(宗介のお母さんリサがビールをあけるシーンも良い感じ。。。今、思ったのですけれども、お母さんがポニョに妙に優しいのは、だからかもしれない。。。)
女皇帝 ~ 母性
水は、包み込むような母性的なものの表現とも相性が良い気がします。エヴァンゲリオンのLCLとか。
この作品ではポニョのお母さん、海の女神グランマンマーレなど
(最近だと「少林少女」などでも、水が母性的な感じを出すのに使われてた気がします)
力 ~ 父性
見える化された力としての水。
ポニョのお父さんが、父親として「いか~~~ん!」と、強制力を発揮する表現としての水。
シャボン玉の図像学
今回、ポニョは何度も水の玉の中に閉じ込められます。
映像的には、「水の玉の中に入ってる人物」「シャボン玉の中に入ってる人物」というのは、かなり似てるかな~ と思うのですけれども、 森 洋子「シャボン玉の図像学」によれば、
洋画では、シャボン玉それ自身、そして「シャボン玉にはいってる人」は、生命の儚さの表現として使われている、とのこと。
この「ポニョ」で、そういう感じで使われているかというと。。。どちらかというと、「閉じ込められている」(吊られた男)という表現であったり、結界的な「守る」「防御する」表現としての意味合いが強いかも?
映画にストーリーは必要?
- 宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢(たけくまメモ)
こちらの記事を読んで、以前から考えてたことをふと思い出したのでメモ。
映画には、「観客が不安にならないため」に、ストーリーが無いよりは有ったほうが良いかも。
もともと、人間は普段の生活でも、特に意味の無い物事に囲まれて暮らしているわけですけれども、意味が無い、必然性が無い、脈絡が無いということはすごく不安だったり。。。しませんか?
例えば、ワイドーショーでも、何らかの犯罪に対して、犯人の心理に説明をつけてみたり、経済番組でも、原油相場の値動きを解説したり、アナリストの談話をとってみたり。。。
なんとな~く、「ホンマかいな」と思いつつも、説明を聞くと、少し不安が解消されたり(もっとも、受け取り手側にとっては、必ずしも、安心するためだけではなく、人によっては仮説をたてて、次の行動に役立てるため、だったりするのでしょうけれども。)
映画の場合。。。難解な作品を見てると、なんだか不安な感じがしたり、ってのはあります、よね?(表現の自由が無い国の作品だと、規制を避けるため、あえて難解にしてある、ということもあるのでしょうけれども)
たとえ映像美を追求する作品であっても、よほどのショートムービーでないかぎり、判りやすいストーリーを付けてあげたほうが観客が不安にならないかも?
(ただ、「判りやすいストーリー」てのも、人間のステレオタイプに立脚してるからクセモノかも。。。という話は、機会が有ったら今度)
ポニョは。。。平易すぎず、かといって、あからさまに難解なわけでもなく、見る人のレベルに合わせて楽しめるストーリーじゃないかと。少し不思議な感じが残る作品ではあります。
最後に「あぁ、このシーン、宮崎アニメの、あの作品で見たおぼえがあるな~」を列挙してみます。


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