タグ別アーカイブ: HangedMan

「百万円と苦虫女」

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蒼井優主演の話題の映画、知人が「面白かった」といってたので、(近所のシネコンで)で見てまいりました。
-[[映画『百万円と苦虫女』公式サイト:http://www.nigamushi.com/]]

蒼井優が出ずっぱりなので、ファンのかたは必見、かも。
(残念ながら、私はファンじゃないのですが。。。)
今回は、この映画におけるお風呂のシーンについて考察します。
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「ペネロピ」

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「犬10」を見に行ったのですが、タッチの差で始まっちゃってたため「ペネロピ」に。
すごく楽しかったですけど……「ペネロピ」を男一人で見るのって有る意味、サーティワンに男一人で入るような気恥ずかしさがあったりするわけですけれども(汗

主人公がブスという設定だけど、きれいな女優さんが演じてる、というのは、まぁTV版「のだめ」なんかと同じでお約束ですねー
(クリスティーナ・リッチ、見覚えがあると思ったらアダムス・ファミリーの子でした)

[[映画「ペネロピ」公式サイト:http://www.penelope-movie.com/]]

監督はマーク・パランスキー(本作が長編映画デビュー作とのこと)
ティム・バートンの映画が好きなひとだったら、この映画の雰囲気も気に入るんじゃないかな?って気がします。(というか、私は好き)
以下、印象的だったシーンをとりとめもなく羅列。
*[[北野たけし 「数学できない人が文学とか映画は撮ったらだめ」:http://www.meiji.ac.jp/koho/information/pr/meidaikouhou/2004/546_4.html]]
うぅ orz (数学も文学も苦手。。。映像も得意ではないけれど。) 

気をとりなおして。。。この「ペネロピ」にもリンク先で言うところの「因数分解」な場面が登場します。
A B C って場面があって、ABCCCCC、とCをリフレインすることによってA B C 全部を繰り返したのと同じ効果が出る、というもの。

この映画では「塔」(落下する人)のモチーフが繰り返されます。同時に、繰り返しのギャグになってる、という(汗

-[[タロット 塔 (ウィキペディア):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%94_(%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%88)]]

(建物から走り出る人、ってのも【塔】に含めてもいいかもしれない)
*ガラス越しの会話
印象的なのが、ペネロピと、お見合い相手マックスがマジックミラー越しに会話するシーン。「君の名は」じゃないですけれども(いちいち例えが古くてすんません)ガラス越しの会話って、何か乗り越えられない壁、みたいな、二人の間の距離感を感じますよね。【恋人達(逆)】。。。メモっとこ。

マックスはペネロピに見られていると知らず、ある行動を。。。しかし、そのあと、不思議なことが起こります。このシーンは結構好きかも。【魔術師】
(具体的な内容を知らないで見たほうが面白いと思うので伏せました)

鏡越しにチェスをしてるときの会話も暗示的。
*囚われの姫君
ペネロピが階段に座り込むシーン。手すり越しに映る顔。
階段の手すりなのに、あたかも牢屋に閉じ込められているように見えて。。。ただ黙って座ってるだけなんだけどグっとくる、という。

どこかで見たような気もするけど(思い出せない)。。。いつかマネしてみよ。
【吊られた男】【女司祭(逆)】
—-
さて、物語の結末は。。。ネタバレになるとつまらないので、続きは劇場でおたのしみくださいー((まぁ、あくまでフィクション、ファンタジーですし、映画としてのおさまりのいい結末、ということであって、現実とは違いますしね。と、過大な期待は持たせない書き方にしたほうがいいのかしらん?))
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蓮實重彦、大塚英志。。。『映画とタロット』開始のきっかけについてお話しします

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『映画とタロット』に関わる記事をいきなり見ると、単にこじつけして当てはめているだけのように見えますので、不愉快に思われるかたもいらっしゃるかもしれません。

本日は、この一連の文章を書き始めた背景、そもそものきっかけについて、書いてみたいとおもいます。

*始まりは大塚 英志
そもそもの始まりは、大塚 英志氏によるこちらの2冊の本。

-[[『物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン』:http://boxheadroom.com/2005/11/07/gym_story_telling]]
-[[『キャラクター小説の作り方』 講談社現代新書:http://boxheadroom.com/2005/10/22/char_novel]]

タロットカード(もしくは代用物)を並べ、それを『読む』ことによって、小説のプロットをつくる、というレッスンが掲載されています。。

つまり、架空の人物の運勢を占うこと=プロットをつくる、という発想を知りました。
この段階では、「でも、むずかしいなー」というところで終わってしまいましたが。
*シナリオ作成支援ソフト『Dramatica』
その後、ハリウッドには、シナリオ作成のための支援ソフトがあるらしいと知ります。
そして、そのソフトでも、タロットカードが使われているらしい、とも

-[[「Dramatica」販売元:http://www.dramatica.com/]]

[[2chの関連スレ【ストーリー製作】Dramatica【支援ソフト】:http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1041226102/10-20]]
“13 :1:03/01/02 12:11
でも、タロットカートでプロットを作るという方法は
「Dramatica」でも勿論組み込まれていて、
(以下略)

ただ、具体的な使用例は判りませんでした。

*蓮實重彦 『映画  誘惑のエクリチュール』
映画に詳しい知人から蓮實氏の名前を聞いたことがきっかけで図書館で借りて何冊か読んでみることに。
-[[蓮實重彦:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%93%AE%E5%AF%A6%E9%87%8D%E5%BD%A6]]

評論として書かれたものについては、文系的基礎教養が足りないのでお手上げなのですけれども、一般の人を対象にした講演のテープ起こしは、なんとか読むことができました。((小津安二郎についてはまたいずれ……))

『映画  誘惑のエクリチュール』、こちらは評論本のほうでして、まったくわからなかったのですが、『地獄の黙示録』についての、こちらの文章が目にとまりました

“こうした主題論的な構造にとって、キルゴアの気まぐれな攻撃命令は、一つの逸脱にほかならない。巡回低はその遡行機能を一時的に奪われ、ヘリコプターで宙に吊るされる。物語からいっても、主題からしても、この作戦は不必要な迂回であり宙吊りなのである。事実、ウィラード大尉はあからさまな傍観者の地位に追いやられ、その話者としてのナレーションさえ放棄せざるをえない。
 
「浮上と滑走」
蓮實重彦 『映画  誘惑のエクリチュール』

ぶら下げられて身動きが取れない状態を表現するために、ぶら下げられて身動きがとれない状態にしている、という理解でいいのかしらん?((モンタージュの定義?))
この文章を読んだ瞬間、ふと頭に浮かんだのが、『吊られた男』のカードのイメージ。

その瞬間、逆転の発想が生まれました。
つまり、タロットを使ってプロット作成が行えるなら、”ソーシャル・ブックマークのように、映画の場面をタロットカードというタグを使って分類”することも可能なんじゃなかろうか?

(それによって、製作者の思考プロセスに近づくことが出来るのではなかろうか?)
*蓮實重彦は『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』を予言していた?
こんな文章もありました。

“『レイダース・失われた聖櫃』の最大の弱点は、見ているものに、その上映中から、いま見つつある画面に何が欠けているかをそのつど意識させてしまうという脚本と人物設定のまずさなのであり、たとえばこれをもっと面白くするためには、まず、主人公を誘惑する悪い女が絶対に必要だし、すべてを心得ているが自分には肉体的な若さが欠けているので協力しつつも遠くから見まもるほかはないという老人もまた絶対に必要なのであって、
 
「スピルバーグは『レイダース・失われた聖櫃』を
明らかに手抜きを承知で撮りあげてしまった」
蓮實重彦 『映画狂人シネマの煽動装置』

まさに、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』そのもの。((蓮實先生すげぇ!& ショーン・コネリーかっこいいですよね))
……製作陣も、この本を読んだのかもしれませんけれども。

仮に、この欠けていた(追加された)登場人物たちを「悪魔」 「隠者」のカードでタグ付けします。
*ひと味足りない……何を足そう?
料理でも「ひと味たりない」って状態が起きるときがあります。しかし、困るのは”『何を足したらいいのかわからない』”こと。 調味料は、すごく多くの種類があります。

例えば、蓮實氏のような頭があれば、過去に存在した映画作品ですとか、いろいろな理論的なものに立脚して、これが足りない、というものを挙げることができます。

しかし、そんな頭を持っていない、けれど、(たとえば、何らかのいきがかりで) 映像を作らなきゃいけない必要性に迫られたとき、どうすれば……

上記、インディ・ジョーンズについての文章を読んだときにひらめきました。
つまり、登場人物たちについても、タロットでタグ付けしてやれば、人物の役割の過不足を防ぐことができるかもしれない。
同じタグ付けされる人物は重複しているのだから整理し、ひと味たりない時には……まだ使ってないカードを順番に当てはめてみればよい。 大アルカナ22枚+小アルカナのスート4枚。 ブルートフォースで総当りしても、その手間はたかが知れています。
—-

……以上が、『映画とタロット』というシリーズを書き始めたそもそものきっかけであります。
他にも、この方法論は映像制作の効率を26倍する方法論として応用がきくのではないか……と考えています。
(それについても、順次、記事にしていければ、と思っています。)

……その前に、既存の作品(特に新作)を見て、感想を書く、というトレーニングの場としてこのblogを使っていけたら。
ついでに、存在するであろう、『いろんなひとの劇場公開中の新作の感想を知りたい』というニーズにお応えしていければ、と思っています。

-[[最近見た映画の感想:http://boxheadroom.com/movie_and_tarot]]

*参考図書
[[http://ecx.images-amazon.com/images/I/21BY6K976HL.jpg:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309265197/tamac-22/ref=nosim/]][[http://images-jp.amazon.com/images/G/09/icons/books/comingsoon_books.gif:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480025022/tamac-22/ref=nosim/]]

[[映画狂人 シネマの煽動装置:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309265197/tamac-22/ref=nosim/]]
[[映画 誘惑のエクリチュール (ちくま文庫):http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480025022/tamac-22/ref=nosim/]]
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